30年物のビンテージ
電話やネットワークを扱う法人さんから電話設備の件で相談が入ってきました。沖電気のIOXシリーズという電話装置に関するものです。
設置から約30年経過しているのに現役で働いている鉄人のようです。さすが堅牢な沖電気製。
10年ちょっと前にクロスバー交換機が動いているのを見た時と同じ衝撃を受けます。
相談内容
建物の工事をする際に1週間ほど電源を停止する必要があるとのこと。復電時に電源を入れて問題なく動くかどうかの問い合わせでした。どう考えてもリプレースを検討するのが筋ですが工事まで時間がありません。
電話設備には運用するための情報がかなりの量で保存されていて、それが消失すると復旧にとても時間がかかります。今どきの装置なら正確な資料さえ残っていれば1時間もかからず設定できると思いますがこの子はそうはいきません。
本来は運用データが保存されているメモリを維持するためのバッテリーが搭載されていますが30年経過している設備です。枯れ切っているのが想定されます。1週間も電源落とせば運用データはすっきり消えているだろうなと。
しかもこの機械はボタン電池とかではなく充電池をはんだ付けするタイプなのでメモリ用の電池交換も簡単ではありません。
幸いこちらの法人さんは保守用のパソコンを所持されており運用データのバックアップを取れるとのこと。
復電後、運用データを流せば復旧できます。素敵です。
今現在これが出来る電話業者はほとんど残っておりません。なんせMS-DOS上で動くソフトで接続にはもちろんシリアルケーブル。パソコンや技術者が先にリタイアしております。弊社もVMにしか残ってません・・
心配事のひとつは解消されました。
あとは完全放電したあと電源投入時に問題なく起動するかです。液体コンデンサとかいっぱい付いてるし30年物のビンテージです。何が起きても不思議ではないですとお伝えしました。
可能であれば通電状態を維持することも検討しましょうと。
最終的に
最終的には工事期間だけ電話装置に電源供給する対策を施すとのこと。対策費用は電話装置をリプレースできそうな金額・・・なんだかモヤモヤします。
まあでもそれだけ電話設備がまだまだ重要視されているということで、そういう意味では個人的にうれしいお話でした。
でも現行機種へのリプレースは勧めてもらわないと・・・